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須賀悠介

Changes


須賀悠介(すが・ゆうすけ)は1984年東京都に生まれ、東京藝術大学の彫刻科を専攻しFRPを使った立体作品を主に、木やCG、写真など様々な素材を用いて作品制作をし、国内を中心に発表を続けてきました。須賀は今まで作品の中に相反する要素を並存させたり、衝撃や暴力性の可視化、通常ではあり得ない事物の状態を立体化することに注力してきました。自身の首を狩り天高く掲げるペルセウス像や、足を怪我すると死を免れない競走馬のための義足、煌々と輝くステルス機など、秩序と混沌が保たれた状態を巧みに立ち現わせてきました。

2021年の個展では、弱視であることに気づかずに4歳まで裸眼で過ごしていた自身の体験を元に作品を制作・発表しました。それまで信じてきた常識や世界への認知が一瞬で変わってしまうことへの危うさや恐怖と同時に、その脆さに気づいたからこそ感じるばかばかしさや可笑しみを作品を通して表現しました。

本展は、10年以上前から制作を続けている「Jailbreak」というシリーズ作品の新作群を発表いたします。「脱獄」を意味する本シリーズは、弓矢や、ハンマー、斧など他物への破壊という目的を越え、モチーフが持つ性質そのものから脱出するために、己を壊す様々な状況を立体作品として表現しています。まるで意思を持ったそれぞれのモチーフに目を向ける時、人類が根源的に持つ暴力性や、経済成長と技術発展の先に待つ紛争、環境破壊など文明の終末を予感させます。しかし作品には、今ある常識や現実を越えた先に、新しいものの見方や新たな可能性への期待も込められています。

4年ぶりの個展となります須賀悠介の「Changes」をぜひご高覧ください。



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