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村松佑樹

日々


村松佑樹(むらまつ・ゆうき)は1988年山梨県に生まれました。東京工芸大学デザイン学科卒業後、雑誌を中心に様々なメディアに挿絵を提供しつつ、並行して展覧会の開催や、アーティストランスペースの運営を行ってきました。2018年にはワンダーシード2018に入選。現在は栃木に拠点を移し、精力的に制作活動を行なっています。

昨年に行われた個展 SPACY では移住先での自然豊かな暮らしを入念に観察し、丁寧な筆致と様々な画材を駆使して見事に紡いでみせました。村松の画面にはどこか懐かしさと牧歌的で穏やかな時間が流れます。

コロナ禍に第二子が誕生し、移住先で新しい職に就き一から生活を始めて行くことは容易ではなかったと想像します。慣れない暮らしの中で身の回りのものを見つめ描くことは作家にとって自己治癒として機能していたと話します。

世界中の誰もが空白の3年間を孤独に過ごし、今またとてつもなく早いスピードで元の日常に適応することを迫られています。村松の画面を通して、日々の暮らしの尊さと穏やかな時間の流れを改めて感じていただきたいと思います。
村松佑樹の個展 日々 を是非ともご高覧ください。

作家ステートメント

育てている観葉植物、遠くに見える山々、雑木林の土の匂い、子供の集めたトミカ、静かな暗い夜、どこかで鳴っている雷の音。
身の回りのモチーフに目がいく様になったのは、コロナ禍で地方に移住し、何てことのない日々の瞬間と向き合うことになったからかもしれない。
部屋の片隅にあった切れ端を手に取り、無作為に貼り始める。その合間に脈絡のないモチーフを並べていくと、意図しない完成がやってくる。
この数年、儘ならない状況の中で制作と向き合うことが「セルフケア」になっていた。
とても私的な動機で作られた作品群であるが、誰かをケアするものになっていたらとても嬉しい。

https://www.yuki-muramatsu.com/

日々