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安藤晶子

Habitable Planet


安藤晶子(あんどう・あきこ)は 1987年茨城県に生まれ、東京工芸大学デザイン学科卒業後、作品制作の傍ら挿絵や本の装画、ファッションブランドとのコラボレーションなど、幅広く制作活動に取り組んできました。水彩や、油彩、コラージュなど様々な手法を用いて丁寧に紡がれる画面は色鮮やかに光と生命の喜びを感じさせます。近年ではNEWoman新宿のウィンドウディスプレイを手がけ、Idemitsu Art Award展 2022にて入選を果たし一層注目を集めるアーティストです。

昨年「New Life People」と題した個展では主義やジェンダーなどあらゆる柵に囚われず、他者を尊び、環境に感謝することが新時代の当然の暮らしであり、あなたがあなたらしく生きていくことへの賞賛をテーマに、自身では最大サイズのペインティングを発表しました。

安藤の作品に度々登場してきた男性とも女性とも判別のつかない人物のようなものを作家は“天使”と呼び描いてきました。神秘的な雰囲気が漂う“天使”は作家にとって抽象であると同時に具象であり、かけがえのない尊いもの達の象徴です。天使には安藤が13歳の時に亡くなった祖母への祈りも込められています。大きな存在であった祖母の喪失は「自分は何を生命線として生きるのか」という問いを今も投げかけており、“天使”を描くことは生命を讃え、日常の中にある光を見つめて生きることへの祈りと同義であり、問いへの回答なのかも知れません。

今回は作家にとって初めての試みとして、日々の暮らしの中にある親密な存在をモチーフに新作群を発表いたします。いつも座る椅子、住まいの外に並ぶ植物、家族や自身の洋服など、今まで絵として向き合う上で具体的なモチーフをあまり描いてこなかった安藤ですが、下地に一度“天使”を描くことでそれぞれのモチーフと心地よい距離感を保つことができる発見があったそうです。

展覧会のタイトル「Habitable Planet(居住可能な惑星/住み心地のいい惑星)」は
この惑星のどこに自分の居場所を求め、どこでなら生きられるか。今ここを「Habitable Planet」にすることは可能なのかどうか、という意味が込められています。画面に広がる小宇宙「Habitable Planet」をぜひご高覧ください。

Habitable Planet