LEESAYA

田中秀介

辿る粉々の粉

田中秀介(たなか・しゅうすけ)は1986年和歌山県に生まれ、2009年に大阪芸術大学美術学科を卒業。現在は大阪を拠点に意欲的に制作活動を 続けています。主な展覧会に個展 あまたの先日ひしめいて今日 (和歌山県立近代美術館、2020年)、 かなたの先日ふみこんで今日 (和歌山県立近代美術館企画 ぎゃらりーなかがわ、2020年)や、グループ展 停滞フィールド2020→2021 (トーキョーアーツアンドスペース本郷、2020年)、 絵画の見かた reprise (√K Contemporary、2021年)等。

田中は自身が日常で目にした印象深い光景を切り取り絵にします。その際に感じた驚きや恐怖など、日常の延長線上にある非日常的なワンシーンをその時に得た体感を軸に描きます。故に不安定な構図であったり、形がデフォルメされていたり、一風変わったモチーフの組み合わせが度々登場します。それは田中が見て感じた瞬間を忠実に再現した結果なのです。特筆すべきは、数百枚と作品を制作してきた作家ですが、全ての作品のエピソードやその時の感情が作品タイトルに反映されており、併せてご覧いただくとより味わい深い趣を帯びます。

「その光景が欲しい」と話す田中にとって、描くということは何かテーマを決めて心象を表す手段というよりも、日常に立ち現れる光景を写真に撮り、度々足を運び、描く事で、目の前に転がる違和感をそのまま写し出し、訳のわからない物事や世界を知ろうとするための手がかりのようなものなのです。

本展では新作を含め大小様々なサイズの作品が展示される予定です。田中の描く作品を通し、鑑賞者は現代の空気感を自然と自覚することになるでしょう。展覧会初日と会期中数日は作家も在廊予定です。(日程が決まり次第、弊廊SNSにてご案内いたします)ぜひ、作品のエピソードについて直接本人に話を聞いてみてください。

LEESAYAでの初めての発表となる、田中秀介の個展 辿る粉々の粉 を是非ともご高覧ください。

作家ステートメント

寝て、起きて動きだす。動き出すと見渡す。見渡し、それは自発的か偶発的かやがてそこの何かと対峙する。
対峙すると、そこに在るあらゆる物事が合致した状況が、光景として一挙に私の眼前に立ち現れる。
それはあまりに複雑に入り組んでいるものの、あからさまに一つとして立ち現れ、そしていつしか更新され、同じ光景を目の当たりにする事はない。
このとりとめのない、しかし歴然とした、常に更新される光景を、どうにか腑に落とそうとしている。
これらを腑に落とす術として、光景の体現に取り掛かる。この体現への取り組みが私にとって描く事となる。
何を指し示すかわからない光景は、描く事で何かを指し示す光景へと体現され、絵となる。


田中秀介

https://shusuketanaka.jimdofree.com/

田中秀介

辿る粉々の粉