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狩野岳朗 Kano Takero

狩野岳朗(かのう・たけろう)は1975年群馬県生まれ。現在は東京を拠点に活動しています。大学で建築を学んだ後、働きながら独学で絵画制作を始めました。自然や日常のなかで揺れ動く自己の感覚を描くことから出発したその探究は、やがて絵画という枠を越え、美意識そのものの実践へと広がっていきました。2011年から6年間は古道具屋を営みながら制作を続け、現在は画業に専念しています。

日常的に野外でスケッチを重ね、植物や空間、時に手の皺といった具体的な対象を丹念に観察することは、狩野の制作の基盤です。作品は一見抽象的な様相を見せながらも、感覚のみに委ねられたものではありません。綿密な観察と構造への意識をもとに、現実のモチーフを解体し再構築するプロセスを経て画面は形成されています。

緻密に構成された色面と大胆な構図、自在に走る筆致は、生命への深い感受性を内包しながら、感情や記憶、時間の層を具体的な対象に重ね合わせ、新たな像として立ち上げます。絵具の物質的な存在感と縦横に展開する線が織りなす空間は、狩野の視座を通して再編成された世界の在り方を私たちに提示しています。

身体的実感と理知的な構築性を併せ持つその絵画は、同時代における抽象表現の可能性を静かに拡張し続けています。

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狩野岳朗