村松佑樹
日々日々
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- PRESS RELEASE
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村松佑樹(むらまつ・ゆうき)は1988年山梨県に生まれました。東京工芸大学デザイン学科卒業後、雑誌を中心に様々なメディアに挿絵を提供しつつ、並行して展覧会の開催や、アーティストランスペースの運営を行ってきました。コロナ禍をきっかけに現在は栃木に拠点を移し、精力的に制作活動を行なっています。
近年の村松の作品は故郷の名産である「市川大門手漉き和紙」に描かれています。職人の手で一枚一枚丁寧に作られている和紙の原料は楮と三椏(みつまた)を使用しており、温かな風合いが特徴です。明治時代までは盛んに製造が行われていましたが、機械化が進み、現在は故郷の街に手漉和紙の製造工場は一社のみとなりました。大量生産品と違って、色合いや、手触り、うねり等、様々な表情を持つ手漉き和紙を、村松は見事に自身の表現に取り入れます。画業と並行して勤務している額製造会社で技術を身につけ、作品は自ら額装を行なっているため、個性的な支持体は村松のあつらえ向きのようにさえ感じます。育てている観葉植物や骨董品、食卓やこどものミニカーなど、日常へ愛しさを持って向き合う作家の姿勢は、自身の作品制作においても同様であり、そのアップデートは年々目を見張るものがあります。
安心できる日々の暮らしが当たり前ではない現代にこそ、村松佑樹の作品を通して、日常の尊さに立ち戻るきっかけになれば幸いです。展覧会初日は作家も在廊予定です。村松佑樹の個展「日々日々」を是非ともご高覧ください。