LEESAYA

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宍倉志信, 菅実花, 須賀悠介

Where is my body?


世界が変わって、私たちの生活の変化は著しい。オンラインで打ち合わせをし、仕事も飲み会も全てモニター越しに難なく行えている。そもそも無駄な毎日の移動や、望まない大宴会にいい加減皆、嫌気が差していたのだろう。COVID-19は社会に混乱と建前を与えたのだ。現代において直接その場に行き、群れ、触れ合うことは生きる上でさほど重要ではなかったのかも知れない。

そうだというのに、なぜ私たちはこんなにも悲しんでいるのだろう。「keep body and soul together」という言葉がある。「どうにかやっと生きていく、暮らしを立てる」という意味だ。「Body」と「Soul」は、常に対照をなしてきた。たとえ感染症が蔓延しなかったとしても、合理的で豊かな現代生活を私たちは歓迎していたはずだ。フィジカルからの脱却はさらに必要に迫られるだろう。我々は今回それに改めて気づき、十分に理解した。いや、したはずだ。外部との身体的接続を棄却しハードをアップデートし続け、クラウド化の予感さえ感じる中で、精神や魂というソフトはどのように変貌を遂げるのか?(遂げられないのか?)

社会やシステムの急速な変化に戸惑いながらも適応していく私たちの身体性に、まるで行方を問う容れ物なき魂と精神について、3名の作家によるそれぞれの作品を通して考えてみたい。グループショウWhere is my body?を是非ともご高覧ください。

参加作家

菅実花(かん・みか)は1988年横浜市生まれ、2021年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻博士後期課程修了。主に19世紀以降のフィクションで描かれる人工的身体や人工生命をリファレンスにして、今日のヒューマノイドロボットや高度生殖医療などの技術的進歩によって変遷しつつある新たな身体観や生殖の在り方を描き、「人間とは何か」を問う。主な展覧会に「黄金町バザール2017」(横浜)、個展「The Silent Woman」(文京区立森鷗外記念館、東京、2018)、個展「The Ghost in the Doll」(原爆の図丸木美術館、埼玉、2019)など。出版・連載に共著『〈妊婦〉アート論 』(青弓社、2018)、小説『本心』作・平野啓一郎(北海道・東京・中日・西日本新聞朝刊、2019-2020)の挿絵を担当。VOCA展2020奨励賞受賞。http://mikakan.com/


宍倉志信(ししくら・しのぶ)は1996年東京生まれ、2019年東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。2021年同学映像研究科メティア映像専攻卒業。主にゲームや映像、インスタレーションを中心に、鑑賞者が物語を需要する為の新しい形式を開発している。特に近年は現代における「儀式的体験」がどのようなものか、どのようにそれは作られ、人々はなぜそれを求めてやまないのかに着目し、制作を続けている。https://crs-shopping.site/


須賀悠介(すが・ゆうすけ)は 1984年東京都に生まれ、SFや科学哲学などを参照し、立体作品をベースに、日用品を用いたオブジェや3DCGの映像作品など、様々な素材からなる新奇な作品を制作している。近年は「Modification of destiny」(LEESAYA、2019年)、「高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol.06/物語る物質(高松市美術館、香川、 2017年)」、「Ghost Roaming(LAGE EGAL RAUM FÜR AKTUELLE KUNST、ベルリン、2016年)」、「Duality of Existence(FriedmanBenda、ニューヨーク、2014年)」など国内外の展覧会に参加し、意欲的に発表を続けている。http://yusukesuga.com/

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